まるで、爪のあとかと思うほどの細い月が、

何年生で、教わったのかしら。

 

    『 杜子春 』 芥川龍之介

 

まるで、爪のあとかと思うほどの細い月が、

         たしか、こんな表現があった。

 

この表現が、幼い私に

     ショックに似た感動を与えた。

 

空に、細い月を見ると、

いつも、

思い出す。

 

     爪のあとかと、