つばめさん、つばめさん。

つばめは、

  いつ頃  やってくるだろう。

 

遥か   むかし    思っていた。

 

そう、

いつも、いつも

わたしは、

おとぎの国に   生きていた。

 

自分の足で歩こうとせず。

自分の足があるにもかかわらず、

     それを見ようとしなかった。

 

つばめを   待っていた。

 

連れて    にげて。

さらって   にげて。

 

独りで逃げるすべをしらなかったから。

  力もなかったから。

抗う方法も、

諦めてしまっていたから。

 

すべては、自分が悪い。

 

おやゆびひめは、

最後に、

背中の羽を羽ばたかせるのよね。

 

ネズミのお婆さんの言う通りに

歩んでしまいそうだったけれど、

自分の心に気づき、

希望の光のもとへ、

つばめと飛んでゆくのよね。

 

わたしは、

おやゆびひめと結ばれるのは、

つばめさん、と思った。

だって、そうでしょう。