次は、千年後?信じたい。
あの日、天気予報で、「今日からはるめいてくるでしょう」と言っていたのを覚えている。
そのことばを聞いて、私は、ピンクのカーデと白地に黒のチェックのスカートをはいてちょこまか動いていた。
その日の朝もグラグラあったんじゃなかったろうか。
「大きい地震ないといいね」
そのころ、しょっちゅう言っていた。
昨日の仕事帰り、西の空が暗かった。
断層雲?
あの頃も何度かみかけた。しっかり線引きしたかのような空。青空と真っ黒く綿を敷き詰めた空。
どこかで雪が降っているのかしら。
そう、思っていた。
何だろう。
今年はいろいろ思いだす。
あの頃のような、春の匂いがする。
地震後、初めて見た新聞には、一面にお母さんを待つ少女の後ろ姿の写真が載っていた。暫くそのままになっていた。
もう、ないといいね。
昨夜、彼にメールした。
彼は、次は千年後、と返信くれた。
信じたい。
あの地震のさなかも「もうないから。俺を信じろ」と言ってくれた。
怖くて震えが止まらなくて、
だから、力強かった。
もう、6年、経つんだ。
もう、本当に、ないといいね。