雪だった。

雪だった。

   そんなに

  寒くかんじなかったのに、

  仕事に行く  昼頃には

雪だった。

 

職場の窓から、

   「雪よ  やめーーー。」と、

空に向かって、

    呪文を唱えていた。

    ぼたんゆき   だった。

 

職場から家までは、およそ、早くて30分かかる距離。

小説のようだけれど、

トンネルを抜けると、

雪は変わった。

ぼたんゆきは、ほんの小さな小さな雪に。

 

家に着くと、

西の空に

私のゆりかごが、浮かんでいた。

 

この雪空に、まさか、

お月さまに逢えるとは、

        おもわなかった。

雪雲の広がる中に、

   一生懸命  輝いて

「わたしはいるよ。

離れていても、

いつでも、みているよ。」と

   励ましてくれているようだった。

 

月。

   月。

ありがとう。

大好きよ。

   大好きよ。

いつだって、

   輝いて、見つめてくれる月。

どんなに  励まされるかしら。

ありがとう。

   好きよ。

 

まだ、雪は降っている。

 

明日は、もう少しだけ

   太ったゆりかごに 

      逢えるわね。