逃げなくちゃ。逃げよう。

私の実家は歩いていける。

スープの冷めない距離、といわれるものより近い。

母は、元気だ。

訪ねてみると、必ず誰かお友だちが来ていて、

イキイキと喋りまくり、

食事の心配まで。

 

そんなだから、広い家なのに、娘の私が帰る場所がない。

出来ることなら、

実家のひと部屋を、やりたい仕事に使いたいものだけど、

全て母が占領していて、

自分が生きているうちは、貸さない、とか。

 

絵画教室でもしたら、母はじゃまなほど子どもたちを可愛がるだろうに。

ま、いいけれど。

 

ひとりで息抜きできる安いアパートをかんがえている。

 

ここにいたら、

病気になるだけ。

 

 

逃げよう。