明日は、雨。

雨を予想させる今夜の月は、

光を失った瞳のよう。

 

ローズソルトをまぶしたかのようだった桜も、

すっかり、緑色に変わり、

涙ぐんで月を見上げていた日は、

もう、

過ぎた日だよ、と微笑んでいるかのようだ。

太くがっしりとした幹。

伸ばした腕。

 

少ししっとりした涼しい風が気持ちいい。

 

このまま、気を失うことはできないものか。

また、人は眠り、

朝を迎える。